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日本人の精神構造

2024-01-29

私たち日本人の精神構造の奥底にある神道と仏教の神仏習合思想を分析するには、単純で簡明な神道と異なり、難解な仏教の色々な概念を知る必要があります。ただ仏教には概念の異なる仏教用語が沢山あって、それぞれが関連しあっているけれど言葉の意味や使い方が微妙に違うので戸惑ってしまいますね。さらに一切経といわれる膨大な量の仏教文献を読み解くことは凡人には一生かかっても不可能でしょう。前回記した「空」と「相資相依」さらに「中道」は関連はしてても、それぞれ異なった概念です。他にも仏教を理解するうえで基本となる仏教用語が多々あります。例えば因縁、縁起、色、即、無我、煩悩、四苦八苦、諸法無我、諸行無常などです。これらの言葉の概念を知れば、少しは仏教の基本的な考え方を理解出来るかも知れません。それらの用語の意味を参考までに書いておきます。ご興味があればさらに研究して頂きたいと思います。

色(しき):宇宙に存在するすべての形ある物質や現象 即:二つの事象が融合して離れないこと 空:物質的なものが存在しない 相資相依:相互に依存し、相互に支え合う全ての存在が相互に関連しており、一つの存在が独立して存在することは出来ない 因縁:この世のあらゆる物事を成り立たせている原因、因は直接的原因、縁は間接的原因 縁起:全ての物事は、原因があって結果がある因果の法則によって成り立っており、すべて因縁によって生まれる 無我:実体がないこと 煩悩:あらゆる苦しみを生み出す原因となる心の動き 諸法無我:あらゆる存在は因と縁によって生じていて、実体があるものは存在しない 諸行無常:あらゆる因と縁によって形成されたものが無常である。無常とは、この世に永遠不変のものはなく色んな因と縁によって影響を受けながら変化していくこと。中道:全ての存在が相互に関連しており、一つの存在が独立して存在することができないので極端な考え方や行動を避け、バランスの取れた生き方をすること

この中の「即」の文字が入った語句に、大乗経典の般若心経の有名な「色即是空 空即是色」があります。また「即」は、「一即多・多即一」「一即三・三即一」という世の中の存在原理を表す言葉の中にも使われています。「三は万物の母」と言われ、三点があると円が描けるので多は三に置き換えられます。恐らくそこから大乗仏教の円融観が生まれたのではないかと思われます。円はすべての存在を表し、その円の中心点が一で、一と円は不即不離の関係にあり一体のものです。私の存在・意識を一とすれば、円は世界そして宇宙全体、その内部は国家・社会で、社会の最小単位が家庭で最も身近な存在となります。円の中心を神仏とすると、個人・国家・世界の三点で円を描けます。また大乗仏教では、仏は人類のみならず、生きとし生けるもの、物質すべてに内在し、同時にすべてを包摂している存在であるとしています。現代的に言えば、神仏は宇宙の究極の波動エネルギー、生命エネルギー、グレートサムシングと言えるでしょう。

さて仏教の色んな概念は空の思想で統一されるので、仏教の歴史は空の思想の発展史といえます。空の原理は、原始仏教、上座部仏教(小乗仏教)、大乗仏教というように発展してきましたが、難しくてその内容は簡単には説明できません。日本人、とりわけ現代日本人の多くは仏教の理屈は敬遠されるか興味を持ちません。葬式などの法事以外では仏教とほとんど関わらないと言っても良いくらいですね。神道のように理屈抜きの感性で参拝する程度のものです。つまり日本人の多くは全く宗教意識を持っていないのです。しかし神道と仏教の教えは、日本人の潜在意識の奥深く、DNAにちゃんとインプットされているので、世界中の人から日本人は道徳的で安心・安全で勤勉な不思議な民族と思われています。これからは世界が日本を目指す時代だと思いますね。そして、その秘密は日本人の精神構造の中にあると言えます。