日本の共同体の暗黙のルールとは
2026-06-29
日本の共同体は、自然と共生する「村社会」と言われる。そこには、「日本教」と言ってもよい暗黙のルールがある。それは民族の集合意識に深く刻み込まれていて、外国人にはちょっと理解し難いものである。何事にも裏と表があるように、「日本教」にも長所と短所があるが、何が長所か短所かは、一概には決められないかも知れない。
さて、日本共同体の暗黙のルールを挙げていくと、①空気を読む。和を尊ぶ。秩序を守る。それらに反すると「村八分」にされて相手にされなくなる恐れがある。②八百万の神や、先祖の御霊を尊崇し、「共存共栄」をあるべき姿と捉える。なので全体主義などの独裁者は嫌われる。③共同体の構成員は、役割を分担し合い、各々所を得て、「一所懸命」に働くことが美徳とされる。そこから仕事を命と考える「職人気質」が生まれて来る。④極力、波風を立てないように気を配り、静かに合議して、白黒をあまりハッキリさせないようにする。いわゆるグレーゾーンを大事にする。つまり、それは争いごとをなるべく避ける知恵なのかもしれない。⑤長幼・先輩後輩の序列と格式を守るよう、同調圧力が加えられる。⑥周囲への気配り、清潔、礼儀、協調性が求められる。⑦子供を大事に育て、共同体全体で見守ること。古の日本は感染病などで幼児期に子供失う家庭が多かったせいで、それを防ぐため子供の成長を地域全体で見守り、助け合う必要が有ったからかもしれない。
以上のようなルールを、日本の共同体では、幼児の頃から、幼稚園・小学校・家庭で、徹底的に躾けられる。頭の柔らかいうちに潜在意識に叩き込まれるのだから、大人になっても無意識にそのルールに従うようになるのである。また、ルールを守らず、「出過ぎた」真似をすると、「出る杭」として打たれ、「目立つ」と足を引っ張られてしまう。そして、「場の空気」に支配され易く、大勢に逆らえず、結局少数意見の正論や道理が無視されてしまうことがある。だから独創性が育ちにくいし、ともすると組織全体が間違った方向に引っ張られてしまうことがある。そうした無言の圧力からくるストレスを緩和・回避するため、息抜きとして「無礼講」というシステムがある。祭りや酒の席・居酒屋などでは、羽目を外すことが許される雰囲気がある。時には暴走することもあるが、それでも大目に見られるのだ。それらを長所とみるか短所と見るかは、判断が分かれるところだと思う。
ただ、皆がこうした暗黙のルールを守っているからこそ、安心・安全に暮らせて行けるし、周囲への気配りがあり、清潔で、礼儀をわきまえ、協調性のある国民性が保たれているとも言える。外国にはそれがないので、世界中の人から日本と日本人が称賛され、国民はビザ免除の世界一のパスポートを手にすることが出来るのである。

